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借家を立ち退き請求されている (法 律)

[質問]
 店舗付き住宅を30年くらい借りていますが、このたび家主さんから建物を立て替えたいので、立ち退き料を払うから明け渡してほしいと言われています。立ち退き料はいくらもらえるでしょうか。
[回答]
1 立ち退き料とは
立ち退き料とは、土地建物の賃借人が賃貸人の要請に応じて賃借物件を明け渡す場合に、その代償として支払われる金銭です。

2 借家の明け渡しと立ち退き料
建物賃貸借は、契約期間の定めのある場合には、借家人に賃料不払いなどの債務不履行がない限り家主側の事情により解約されることはなく、家主が借家契約を解約するためには、期間満了の6ヶ月ないし1年前までに借家人にたいし解約の申し入れをしなければなりません。
 また、期間の定めのない場合には、解約申し入れから6ケ月経過したときに解約の効力が生ずることとされています。
 そして、期間の定めがある場合にもない場合にも家主側の解約の申し入れには、正当理由が必要です(借地借家法28条)。立ち退き料の提供の申し出も正当理由の一つとなります。また、立ち退き料は、家主の正当理由が不十分である場合にそれを補う補強する要素ともなります。
 なお、借家人が自分の都合で借家を明け渡す場合、一時使用を目的とする賃貸借で使用目的が終了した場合、賃借人の債務不履行による借家契約の解除の場合には、賃貸人は立ち退き料を支払う義務を負いません。

3 立ち退き料の内容
借家の明け渡しにより被る借家人の損失を填補するため、以下の内容の全部又は一部を含みます。
(1)引越料の補償
  引越に要する費用や移転通知費用が含まれます。
(2)借家権価額相当額
 借地借家法により保護された借家権に基づき建物を使用収益することにより借家人に帰属する経済的利益を表示した額を言います。
 数十年にわたり家を借りていた場合、契約当初と比べ家主の資産価値すなわち借家の敷地となる土地価額は通常高騰しています。このような土地の高騰の原因は経済価値の変化に伴う地価上昇やその地で営業を続けてきた借家人の貢献も少なくないことから、かかる資産価値の配分について家主と借家人とで適正に配分するために認められたものです。
 (3)営業上の損失
 借家の明け渡しにより営業を廃止したり一時休業せざるを得なくなった場合、移転により営業規模を縮小したり顧客が失われる場合など当該借家人に生ずる営業上の利益の損失をいいます。
 (4)生活上の不利益ないし精神的苦痛の填補など
  長年借家人がその借家のある地域で生活し、生活上の利便を得ている場合、立ち退きによりかかる生活上の利便を失うことによる不利益をいいます。

4 具体的な立ち退き料の算定基準について
立ち退き料の算定基準については、法律上特に定めがなく当事者の合意により決めることになります。
 立ち退き料を算定する基準としては、家主側の正当理由と借家人側の正当理由を比較した上で、建物については借家権価格が参考となり、また【質問】のように店舗で営業をしている場合には、営業上の損失の補償が問題となり、上記に述べた(1)から(4)の全部又は一部を立ち退き料として支払ってもらえることになります。

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