porta 2017 #028
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しょうふく駅弁がつなぐ地域の絆「出雲招福ちらし」 思わず手に取りたくなる、ご利益がありそうネーミング。「出雲大社大遷宮記念」「古事記編纂1300年記念」の副題も付いている。神話の国出雲にふさわしい駅弁だ。掛紙の写真は駅弁の中身を大写しにしたもの。彩りも豊かで食材が盛りだくさん、食欲がそそられる。 ふたを開けると、目に飛び込んでくるのはご飯にたっぷりのった紅ズワイガニのほぐし身。鳥取県の境港産で、身はしっとりと甘く酢の具合もあっさりしている。中央に横たわるのはアナゴの蒲焼き。身をふっくら炊き上げた日本海産だ。ほかにアゴ(トビウオ)のでんぶ、黒豆、大山鶏のうま煮などなどが賑やかに盛り込まれて、下に詰められたご飯が見えないほど。ちなみにご飯は大麦や赤米を混ぜ込み、五穀豊穣を表現している。これらの味を引き締めるのが金針菜(ユリ科)。生は緑色だが干すと黄色になり、シャリ感がある歯ごたえがたまらない。 調製元の一文字家は明治34年創業の老舗。アイディアマンの景山直観社長のもと、毎年のように新作駅弁が登場するのが楽しみだ。五穀豊穣を祝い、福を招く神話の国の名物弁当島根県松江市どこから手をつけていいか迷ってしまうほどいろいろな食材がぎっしり駅弁の内容が大写しにされた掛け紙に食欲がそそられるtext by駅弁女王日々の旅のなかで、今まで5000食以上の駅弁を食破。雑誌等に駅弁の連載、著書も多数。調製元と駅弁の開発も行う。旅行ジャーナリスト、フードアナリスト。Shinobu Kobayashi松江市第28号平成29年10月15日発行 発行元:一般財団法人長寿社会開発センター 〒105-8446 東京都港区西新橋3-3-1 KDX西新橋ビル6F TEL 03-5470-6753 FAX 03-5470-6763盛りつけの美しさも味のひとつ。彩りと配置を考えて丁寧に価格:1180円(税込)販売:山陰線松江駅問合せ:☎0852-22-3755 (一文字家)

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